海事・海洋から、IoM・AIoMへ。新たな事故の責任と補償を考える。
弁護士法人EICは、海事・海洋と、IoT・IoM・AIoMなど技術の利用が広がる領域を重点に、事故の原因、責任の所在、損害の範囲、保険による補償を検討します。船舶・設備、データ・通信・ソフトウェア、現場の運用を関連付けて事実を捉え、交渉・訴訟・保険金請求につなげます。
代表の齋藤理央は、弁護士・海事代理士です。船舶や運航に関する制度・行政手続の視点も踏まえ、契約、安全管理、事故時の責任と保険の問題を検討します。
船舶の衝突・乗揚げ、海洋設備やマリンレジャーの事故から、自動運航、遠隔監視・制御、AIを用いたシステムに関わる事故まで。新しい技術や未開拓の利用領域についても、具体的な事実と証拠、法の趣旨に立ち戻り、権利の保護と損害の回復を考えます。
被害を受けた方、賠償請求を受けた方、事業に伴う責任や保険による備えを検討する方。それぞれの立場から、予防と事故発生後の対応をご相談いただけます。
海事・海洋の制度と、IoM・AIoMの技術をつなぐ法務
船舶・海洋設備の利用には、運航や安全に関する制度、事業者間の契約、船員・利用者・周辺の人々との関係が関わります。自動化や遠隔運用が進む場面では、これらに加え、システムの設計、取得する情報、通信、人による監視・介入の役割を確認する必要があります。
EICでは、IoMをInternet of Mobility(移動・交通)とInternet of Marine(海洋・船舶)の両面から捉えます。本ページでは、こうした機器・活動のネットワークに、AIによる認識・予測・判断・制御が加わる領域を「AIoM」として扱います。
事故が生じた際には、機器の動作、システムの出力、通信の状態、現場や遠隔拠点での判断が、どのように結果につながったのかを検討します。開発・製造・供給・保守・運航・運営に関わる当事者の役割を整理し、責任の根拠と損害、保険の適用を具体化します。
- 自動運航・遠隔操船、港湾・物流システム、海洋ロボット等の事故と責任分担
- AIの認識・判断、通信断、制御の不具合、人への引継ぎ、ソフトウェア更新と事故の関係
- 海洋調査、洋上設備、資源利用などに伴う人身・財産・環境への損害
- 実証・導入・運用の条件と、事故時の賠償責任・保険による補償の整合性
海事分野では、船舶や運航の形態、事故の場所、契約関係を踏まえ、責任制限などの特有の制度も確認します。国境を越える事案では、準拠法や裁判管轄等も検討します。
事業を始める段階の契約・体制整備は、ICLAW|新領域企業法務ともつながる領域です。企業法務のご相談もお受けし、安全管理、責任分担、保険を併せて考えます。
重点的に取り組むご相談の分野
| 分野 | ご相談の例 |
|---|---|
| 海事・海難事故 | 船舶の衝突・乗揚げ・沈没、旅客船・プレジャーボートの事故、船体・貨物・港湾設備の損傷、運航や安全管理に関する責任 |
| IoM・AIoMと自動化・遠隔運用 | 自動運航・遠隔操船、移動・物流システム、海洋ロボット等の事故。AI・センサー・通信・制御・人の関与と、各当事者の責任 |
| 海洋開発・洋上事業と環境への被害 | 海洋調査・洋上設備の事故、海洋汚染、漁業・養殖・周辺事業への損害、操業や事業の中断に伴う損失 |
| 海のレジャー・スキューバダイビング事故 | 潜水・遊泳・マリンレジャー中の事故、船舶や器材の使用、安全説明・監視・救助体制に関する責任、人身被害の回復 |
| 海上保険・先端領域の保険 | 船舶・貨物・船主責任に関する保険、賠償責任保険、傷害保険、サイバー保険等の補償範囲・免責、保険金請求・不払い・減額 |
生活・事業に関わる事故や権利侵害にも対応します
海事・先端領域への取組とともに、次のような損害賠償のご相談も扱います。
技術と現場を読み解き、責任と損害を明らかにする
誰が、どの場面で、何を把握し、どのような対応を取れたのか。事故や損害の検討では、技術の仕組みと当時の運用を確認し、具体的な事実と証拠に基づいて責任を組み立てます。
- 事故の経過と証拠を整理する
航行・運転・作業の記録、気象・海象、写真・映像、通信・操作ログ、契約書、診療記録等を確認します。AIや制御システムが関わる場合は、当時の設定、ソフトウェアの版、更新履歴、認識結果や制御指令なども検討対象とします。 - 関係者の役割と責任の根拠を確認する
船舶所有者、運航・運営者、製造者、開発者、保守・通信等の提供者について、契約上・法令上の役割を整理します。設計・安全上の条件、説明・監視・介入の体制、事故との因果関係、当事者間の求償を検討します。 - 人身・財産・事業上の損害を捉える
治療費、休業損害、将来の収入への影響、慰謝料、船体・設備等の修理費、事業中断による損失などについて、事故との関係と裏付け資料を確認し、請求できる範囲を検討します。 - 解決方法と補償への道筋を考える
交渉・訴訟、保険金請求等の選択肢を整理し、必要な立証、期間、費用、生活や事業への影響を踏まえて対応方針を検討します。技術的な争点では、必要に応じて関係分野の専門家の知見も踏まえます。
請求する側・請求を受ける側のいずれについても、確認できる事実と未確定の事項を分け、見通しと課題を共有します。
新しい事故のかたちに、保険はどこまで応えるか
自動化・遠隔運用やAIの利用によって、事故の経過や関係者の役割は複雑になります。誰が責任を負うかを検討するとともに、その損害が既存の保険契約でどこまで補償されるかを、約款・特約と実際の運用に即して確認します。
海事・先端領域では、契約上の責任分担、被保険者、対象となる業務や機器、運用条件がかみ合っているかが重要です。事故後の保険金請求に加え、実証・事業化・運用変更の段階から、責任と補償の間に不足がないかを法的に検討します。
- 船舶保険・貨物保険・船主責任保険(P&I保険)等の海上保険、賠償責任保険・傷害保険・サイバー保険に関する相談
- 被保険者、対象業務、航行・運用の範囲、補償期間、支払限度額、免責・自己負担額の確認
- 自動化・遠隔運用、システム障害、ソフトウェア更新、サイバー事象等の約款・特約上の取扱い
- 保険金請求、支払額・不払い理由・事故原因の評価をめぐる交渉や紛争への対応
- 事業者間の責任分担・求償と保険の整合性、保険を活用する事業・サービスの契約や仕組みに関する法的検討
賠償責任と保険による補償は、それぞれの法令・契約に基づいて確認します。保険の対象となる損害、免責事項、自己負担額等については、個別の約款・特約の検討が必要です。参考:日本損害保険協会「免責と免責金額とは?」(別タブで開きます)
複雑な事故を伝えるリーガルグラフィック
船舶や人の位置関係、航行経路、通信と制御の流れ、事故に至る時間の経過。海事・先端領域の紛争では、複数の記録を照合し、技術・運用・損害の関係を伝わる形に整理することが重要です。
EICは、法律事務と視覚表現を組み合わせる「リーガルグラフィック」の考え方を、事実関係と主張・立証の整理に生かします。図解、時系列表、関係者の役割図、写真・映像の整理などを用い、争点と証拠の関係を明確にします。
資料から確認できる事実、専門的な評価、そこから導く推論を区別し、相手方や裁判所に正確で理解しやすい説明を行うことを目指します。
先端領域でも、責任の根拠を一つずつ確かめる
新しい技術が関わる事故でも、誰のどのような行為・義務違反が損害につながったのかを検討します。損害賠償の主な根拠である不法行為責任・債務不履行責任とともに、海事等の分野に固有の制度や責任制限、契約条件の適用関係を確認します。
不法行為に基づく損害賠償
故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、損害を与えた場合には、不法行為に基づく責任が生じることがあります。海難事故やシステムが関わる事故でも、行為の内容、故意・過失、損害、因果関係等を具体的に検討します。一般的な根拠は、民法709条(e-Gov法令検索・別タブで開きます)です。
債務不履行に基づく損害賠償
運送、開発、保守、サービス提供等の契約において、負うべき義務が適切に履行されず損害が生じた場合には、債務不履行責任が問題となります。合意した仕様・役割、履行の経過、契約内容や取引上の社会通念に照らして責任を帰すことができるか等を検討します。一般的な規定は、民法415条(e-Gov法令検索・別タブで開きます)です。
国家賠償請求
公権力の行使に当たる公務員の故意・過失による違法行為や、道路・河川等の公の営造物の設置・管理の瑕疵によって損害が生じた場合には、国や地方公共団体の責任が問題となります。事故の場所、施設の状態、管理主体、被害の経緯等を確認し、国家賠償法1条・2条(e-Gov法令検索・別タブで開きます)の適用を検討します。
海事・先端領域の事故、賠償と保険のご相談
海難事故後の対応を考えたい。自動運航や遠隔システムが関わる事故の責任を明らかにしたい。提示された賠償額や保険金額を検討したい。新しい事業の責任分担や補償に不足がないか確認したい。現在の状況と、解決したいことをお聞かせください。
事故や被害の経緯、相手方とのやり取り、契約・保険関係の資料、運航・通信・操作の記録などを確認し、必要な調査と対応の選択肢を整理します。資料が十分にそろっていない段階でも、ご相談いただけます。
技術や事業の新たな可能性を支え、人の生命・身体、暮らし、財産、自然環境を守る。弁護士法人EICは、海事と情報・技術のつながりを踏まえ、予防から事故後の賠償・保険まで、考えることを具体的な対応につなげます。